飛騨市古川町「蓬莱」の蔵元「渡辺酒造」
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    一年古酒
     毎度ありがとうございます。坂本酒店です。

     先日「酒と肴の頒布会」発売直前の、飛騨市古川町「渡辺酒造」さんを、再度訪問いたしました。そこで幸運にも、頒布会第1回目の出荷を控えている垂れ口秘伝生原酒の試飲をさせて頂き、その誕生秘話や、蔵元の思いなど伺って参りました。

     試飲した率直な感想は、「あぁ、これは口の中でハムと一緒にとろけるな。」です。ワインで言うならマリアージュですか、この確信に近い期待感はなんでしょう。
     この垂れ口秘伝生原酒を造るに至って、私勘違いしていたことがあります。それは、てっきり渡辺酒造さんの板垣杜氏が、先に造りたいお酒のイメージを持っていて、後に肴の選択をしたと思っていたことです。実はそれは間違いで、第1回目の肴「パリ風加熱ハム」に合わせて酒質の設計をしたそうです。
     その目標とする酒質を実現する為に板垣杜氏が苦労して復活させたのが、明治時代に行っていたと言われる「蓋麹法(ふたこうじほう)」と呼ばれる古典的な技法でした。板垣杜氏が「酒造りで人間が関われる最も重要な工程」とおっしゃられた麹造りの工程は、蓋麹と呼ばれるA4サイズよりちょっと大き目の箱に、麹菌を散布した蒸米を入れて麹を造るもので、現在では蓋麹の10〜20倍の大きさの箱に入れます(箱麹法)。これにより普段の何倍〜10数倍の手間をかけ、丁寧に丁寧に麹が造られます。
     その結果出来たお酒は、言わば「明治の味の復活」です。最新の醸造技術を使った高級な吟醸酒を「スマートな都会」にたとえるなら、このお酒はもっと「しっとりとした故郷」っぽい味わいです。板垣杜氏がおっしゃった言葉で、最近耳について離れない言葉に「にぎやかな酒」があります。端麗辛口のすっきりとした味わいは、たとえば精米歩合を小さくし、麹を若く造ることにより出来るでしょうが、私の造りたいお酒はもっとにぎやかなお酒だと。実際にボディがしっかりとして、ストラクチャーがある、ワインでいうならブルゴーニュの樽熟成した高級白ワインでしょうか?あまり飲んだ事ないですが(^^;ハムと一緒に頂く発売日が待ち遠しいです。

     ちなみにこの古典的な蓋麹法で造られたお酒、今回限りで、次同じように造ることはないそうです。

     写真はちょうど一年前の頒布会の為に造られた渡辺酒造さんのお酒で、「吟醸生原酒おり絡み」なのですが、蔵元の次男さんが個人用に1年間氷温熟成させたお酒を頂いてきた物です。去年の8月くらいが一番味が良く、今はちょっと下がったかな?とおっしゃっていましたが、ぶれる事の無い頑強な構造を感じる、キリーッとしたお酒でした。ロックやストレートで、味が濃く油っぽい食べ物でも大丈夫ですね。店長にはきつ過ぎたみたいで、ちょい加水していましたが、味ぶれなかったです。
    | 酒屋の息子 | 日本酒 | 16:11 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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